昔つけた買戻し権を消したい!というか、買戻し権って何ですか?について。
今日は、昔に家を買った時つけた「買戻し権(の抹消)」についてお話しようと思います。
そもそも買戻し権って何ですか、というお話から。
【買戻し権】
不動産の売買において、特約に基づき売主が買主に売った不動産を買い戻せる権利のこと。
その場合は売買代金や諸費用を買主に返済することになります。
公的機関が買主に転売をしてほしくない時などに利用されることが多く、買戻し権の登記が譲渡の条件になることもあったそうな。
さて、そんな買戻し権の登記ですが、その期間(権利を行使できる期間)は最大10年と定められています。
つまり、何もせず10年経った時点でその登記は無意味なものになります。
が、それを法務局が気をきかせて自動的に抹消してくれることはありません。
ということは、基本的には、その買戻し権の付いた不動産の所有者(と買戻し権を付けた機関等)が抹消登記をすることになります。
先ほども書きましたが、買戻し権の期間は最大10年なので実態上、登記簿にある買戻し権は無意味な登記(形骸化した登記)です。
一般感覚からすると、その無意味な登記をわざわざ手間や労力をかけて抹消するのも何だかな・・・というところでしょうか。
人によっては、放置してもいいなら面倒なのでそのままでいよう、という人もいるでしょうね。
そんな中、少し前ですが、買戻し権の抹消が所有者1人からできるようになりました!
不動産登記法第69条の2(買戻しの特約に関する登記の抹消)
買戻しの特約に関する登記がされている場合において、契約の日から十年を経過したときは、第60条の規定にかかわらず、登記権利者は、単独で当該登記の抹消を申請することができる。
これなら買戻し権を付けた機関にわざわざコンタクトを取らなくても自分だけで登記を抹消できるのでよいですね♪
また、今持っている不動産を誰かに売却する時には、基本的には所有権以外の権利は消して(綺麗な状態で)売るのがお約束になっていることがほとんどなので、そうなった時でも簡易迅速に買戻し権の抹消ができるので便利です。
ちなみに登記の目的と原因などの記載例としては
目的 〇番付記〇号買戻権抹消
原因 不動産登記法第69条の2の規定による抹消
権利者(申請人)住所・氏名
義務者 〇〇財団法人△△県□□公社 代表理事・・・ 会社法人等番号
となる感じです。(あくまで一例として、参考程度にしてください。)
この買戻し権の他にも、解散した法人の担保権に関する登記の抹消を簡易に行う方法として
不動産登記法第70条の2による担保権の単独抹消の規定もあります。
簡単に説明すると、弁済期及び法人の解散の日から30年が経過し、清算人も見つからない場合は上記規定により当該担保権を単独で抹消することができます。
昔から担保権に関する単独抹消規定はありましたが、今回紹介した規定のように、今後、さらに単独抹消ができる事案が増えていくのでしょうか。
抹消の事案ではありませんが、相続人への遺贈の登記も単独申請できることになりましたし、「問題ないなら単独申請で」が増えていくのかもしれませんね。
今日はこんなところで。