続・相続土地国庫帰属制度。申請時における筆界と所有権界。
今日は、以前ブログでも書いた相続土地国庫帰属制度について再度軽くお話してみたいと思います。
4月に開始されたこの制度。
国庫帰属に到達するためには、いろいろと縛りのあります。
※ちなみに左の画像は、土地の上に建物があるので国庫帰属の対象になりません💦
個人的にはもう少し、帰属できる土地の制限を緩和できたらいいなぁと思っております。
さて、本題です。
帰属させることのできる土地があった場合、土地の所在する都道府県の法務局・地方法務局(本局)に申請書を提出するのですが、その際に
(1)承認申請に係る土地の位置及び範囲を明らかにする図面
(2)承認申請に係る土地と当該土地に隣接する土地との境界点を明らかにする写真
(3)承認申請に係る土地の形状を明らかにする写真
を提出しなければなりません。(これらは添付書類等の一部です)
ちょっとマニアックな話ですが、隣接地との境界点とはなんでしょうか?
筆界でしょうか?所有権界でしょうか?
説明:筆界=土地が登記された際にその土地の範囲を区画するものとして定められた線
所有権界=所有権の範囲を画する線
どうやら、上記「境界点」とは所有権界を指すようです。
普通、筆界と所有権界は同じになっていることが多いのです。
ですが、例えば、左の画像では壁があって、おそらく筆界はこの壁の下の線のことでしょうが、もし、右にお住まいの方が土地を筆界から横30cmのところまで左隣地の方に売った場合、筆界と所有権界は異なることになります。
となると、邪推になりますが、怖いのがウソの申請。
国庫帰属の邪魔になっていた崖部分を除いた部分(又は、他人の土地を侵害するような自分の土地を超えたもの)を申請したいがために、ウソの所有権界を主張したりする人もいるかもしれませんね。(感覚的には邪魔な部分をお隣さんに押し付けるイメージ)
しかし、安心してください。
この所有権界を元にした申請がされた場合、担当者が隣地所有者に確認を取るとのこと。
そして、もし、異議が出た場合、申請は却下されてしますそうです。
変な押し付け合いにならないように、ちゃんと考えられてるんですね。
というか、お隣の土地の一部を買ったら、土地家屋調査士に分筆・合筆依頼するのが望ましいです。
でも、そもそも国庫に帰属させるような土地をそこまで管理できるなら、わざわざ国庫帰属制度は使わないのかもしれませんがね(笑)
今日はこんなところで。